~射出成形プラスチック金型における心得~ #7. 金型は適度なメンテが必要です

2023年7月17日

◎生産性&品質を考慮すれば、金型は適度なメンテが必要です。

金型は金属で出来ています。一生、半永久的に状態不変とは行きません。
成形時毎ショット、型は動き、機構部は摺動を繰り返します。

○必ず金属部は摩耗し、その摩耗カスがカジリ等を更に助長させます。
○また型は打ち込んでいくにつれて、型当たりも変化し、型の締まり具合も微妙に変化して
行きます。
○機構部も度重なる摺動作動の繰り返しにより、作動具合が微妙に変化して行きます。
○毎度の成形により金型内へ樹脂が注入され、完全に抜けきれない樹脂ガスが蓄積されて、
樹脂ヤニ等がPL面や入レコ分割隙間等へ付着蓄積して行きます。
○更に、長期間にわたる連続成形等にて、グリース等の潤滑油切れ等も出てきます。

上記の他、まだまだ多々懸念材料はありますが、金型に対して何も対応・対処せず、そのまま成形生産を、例えば数年間と長期間に渡り続けると、必ず金型にトラブルが発生します。
金型に不具合が発生し、品質が低下して行き、結果、成形品の品質にも影響を与えます。

金型にトラブル等が発生すれば、最終メーカーの組立生産ラインをSTOPさせるような事態になるかもしれません。
また金型の品質が低下して行き、結果、成形品の品質に問題が発生すると、最終的には、家電や自動車等の最終組込製品に悪影響、問題を与える事になるかもしれません。

また金型のトラブル対策対応する為に、無駄な余分な工期も必要となって来ます。
結果、成形生産、組立生産ライン、その他のあらゆる工程に悪影響を与え、無駄な余分な追加費用も発生し、金型TOTAL COSTもUPしてしまいます。

そのような事態になった場合、大きな全体的損失、コスト損失、また信用・信頼失墜等に繋がって行きます。

製品や金型の品質を安定的に保ち、成形生産を継続して常時安定させる為には、金型の定期的な、適度なメンテ、また日常的な金型管理徹底が必要だと思います。